NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その729◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.9竹澤 伸一

「たった一言が、その人を喜ばせたり、あるいは傷つけたり。言葉って、それだけ重いものなのだなって、最近つくづく感じています。」宮脇正志(ミヤワキ マサシ)くんは、しみじみと語ってくれました。

ついに50作目が公開される、国民的映画である「男はつらいよ」で、フーテンの寅こと車寅次郎に扮する渥美清さんが、「それを言っちゃおしまいよ。」という名セリフを発していましたが、「言葉って、本当に重いもの」だと私も思います。

宮脇くんは言います。「言葉には責任と自覚が必要」だと。本当にその通りです。大学生同士が、お互いに使い合う言葉。教職員が学生に発する言葉。逆に、学生が教職員に伝える言葉。言葉ひとつに歓喜が潜んでいたり、その一言が相手にとって魔物となったり、本当に言葉ひとつで、色々なことが起こります。

最近、言葉によるパワハラの問題が頻繁にクローズアップされていると思います。言葉を発する本人が、そのつもりがなくても、発せられた相手が圧迫感を感じるなら、そればパワハラなんだと思います。わかりやすい例が、教員と学生の関係にあります。教員がマナーを強調する時に発する言葉は、えてして高飛車になります。それをスルーする学生もいますが、嫌な感情とともに受け止めてしまう学生もいます。ましてや、学生によって言う強度のようなものが違ってくると、場合によってはえこひいきととらえられかねません。学生が甘えているだけとは言い切れない部分もあります。

宮脇くんは、極めて言葉に敏感な学生です。ですから、発する言葉も繊細であり、洗練されています。私はよく、ハッとさせられます。そんな宮脇くんなので、教職員や友人たちが日々発する言葉に対して、その裏側までわかってしまうこともあるようなのです。私は、この宮脇くんの感性を、とても大事にしたいですし、大事にしてほしいなと
思っています。会う度に宮脇くんから、たくさんのものを教わっています。

(つづく)