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◇愛情教育、この指とまれ◇その767◇ 令和の時代に挑戦しよう。 名産大3年生物語 vol.47竹澤 伸一

「引退後は教職も視野に入っていますが、とにかくプロのサッカー選手になりたいと思っています。もちろん、そうなれるかどうかは、すべてこれからの自分次第にかかっているのですが。」中山純希くんは、覚悟をもって語ってくれました。

「J1にも行きたいですし、海外でプレーしてみたいとも思っています。海外だと、ヨーロッパ、南米、もしかしたら、その先はアジアのどこかかも。誰も知らないボリビアに、単身、武者修行に行ったのも、自分を再発見するためでもあるのです。」

インタビュアーの私は、サッカーに関しては素人です。だから、中山くんの「目標実現性」について、軽々しく発言するのは控えなければなりません。でも、確実にこれだけは言えます。中山くんは、1週間のスケジュール帳を真っ黒にして、着実に準備を積み重ねていると。

ところで、サッカーのことはコメントできない私でも、中山くんがおこなった、中学校社会科歴史分野の模擬授業についてはコメントできます。「天下統一をめざして」という単元で、織田信長と豊臣秀吉の歩みを、1単位時間(50分)で、一気に学んでしまおうという授業です。

中山くんは、「素材に発問をプラスしてアレンジすると、それが教材になる」という基本を、あっという間に理解しました。そして、織田信長の授業なら、100人中100人が使うと思われる「長篠合戦図屏風」という素材を教材化すべく、発問を考えました。この1枚の「図屏風」からは、何十通りもの発問が考えられます。この素材を教材に昇華させることのできない教師は、単に説明して終わってしまうのですが、中山くんは違いました。「なに」を問う発問と、「なぜ」を問う発問を導き出したのです。さすが、というべきです。

ふだんから何となく感じていることなのですが、何かに一流の人は、何をやっても一流のところがあるような気がします。将来、一流のサッカープレーヤーをめざしている中山くん。授業をつくる努力は、やはり一流でした。「努力が一流」の人は、きっと花開く時がきます。応援していきたいと思います。

(つづく)