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◇愛情教育、この指とまれ◇その817◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.7竹澤 伸一

「竹澤先生に面接練習をお願いして、何回も実施していただきましたが、その度に、しどろもどろになってしまったことが、今ではもう懐かしいです。」

井下田尚之(イゲタ ナオユキ)くんは、大きなものを乗り越えた充実感を漂わせながら語ってくれました。井下田くんは、1年前くらいのことを思い出しながら語っていたのですが、私はその時、さらにその1年前のことを思い出していました。

私が井下田くんに初めて会ったのは、「ゼミ面接」の時です。「ゼミ面接」とは、2年生の秋に、3年生から所属する「専門ゼミ」を選択するための面接です。名産大では、3年生からの「専門ゼミ」の選考が、非常に公平に、かつ丁寧に実施されています。「専門ゼミ」を担当する教員が、2年生に対して説明会を実施します。2年生は、その説明会に参加した後、教員の研究室を個別に訪ね、さらに詳しい説明を受けます。その期間が過ぎた後、第1希望から第3希望までを提出し、学生と教員が相互にマッチングを図って、所属ゼミを決めていくのです。

その日、研究室のドアの上辺に頭がつきそうになりながら、井下田くんが入ってきました。

竹「まず、お名前をどうぞ。」

井「井下田尚之と申します。よろしくお願いいたします。」

竹「井下田くんのご先祖様は、ひょっとして、〇〇県の△△あたりの出(で)かも知れないね。氏名の氏と地名とが、関連していることが多いので・・。」

井「〇△□?@✖?+・・・・」

時々、私は、この悪戯(いたずら)をやります。私の恩師の1人が、地名の大家で、「氏と地名」の関係を、フィールドワークを通して散々検証してきたので、当たらずとも遠からずのことが多いのです。そして、この時、井下田くんは、さっそく「しどろもどろ」になりました。

誤解を恐れずに書くと、私はむしろ面接で「しどろもどろ」になる人に好感を持つことが多いです。一生懸命に答えようとして、顔を真っ赤にして「しどろもどろ」になる人のほうが、なんか好きです。井下田くんとのアクティブな関係は、その時から始まりました。

(つづく)