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◇愛情教育、この指とまれ◇その822◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.12竹澤 伸一

「今、私は、目の前の誰かと会話しています。雑談だったり、質疑応答だったり、あるいは緊迫した面接だったり、もっと緊迫する口頭試問だったり、ひと口に会話と言っても、色々な種類があると思います。」蒲牟田雄太郎(カマムタ ユウタロウ)くんは、意味深なことを語り始めました。こういう時の蒲牟田くんからは、教えられることが多いので、私は黙って聴き続けることにしました。

「大学生になって、学年が上がるごとに、私は、相手の方が今言っていることの背景を考えながら聴くことができるようになりました。言っていることを額面通り、そのまま受け取って良いのか、言っている内容と、実は心に思っている事柄とに、何らかの開きがあるのではないのかと、色々と考えを巡らせながら、会話をするようになってきたのです。」

私は、ますます、蒲牟田くんの話に惹きつけられていきました。そこで、こんな合いの手を入れてみました。「蒲牟田くんさ、相手の話の背景を考える時に、何か参考にしているものってあるの?」

蒲牟田くんは、柔らかく微笑んで、こう答えてくれました。

「相手の方の表情や、声の調子、あるいは身体全体の仕草などから判断しますね。」

なるほど、と私は思いました。そこで、もう少し突っ込むことにしました。

「表情、声、そして仕草か・・。何か、具体的な場面で語れる?」

蒲牟田くん、待ってました!とばかりに語り始めました。

「3年生の春学期に、私は長期インターンシップに行きました。3か月間、毎朝定時に出勤して、インターンシップ先の業務の補助をさせていただきました。ここで二重の会話力を試されました。1つは、インターンシップ担当の職員の方をはじめとする職場の方々との会話。もう1つは、訪れたお客様との会話です。職員の方々は、会話の中では日々厳しいことをおっしゃいますが、その背景には、私を一人前に育てたいという愛情があることが感じられました。でも、当たり前ですが、お客様から見たら、私も職員の1人なのだから、言葉は丁寧でも、対応への不満みたいなものが見て取れました。」

私は思わず膝を打ちました。「蒲牟田くん、それは察知力というものではないかな。」

(つづく)