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◇愛情教育、この指とまれ◇その828◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.18竹澤 伸一
「ニコニコしながら竹澤先生が私の前に置いた本が、ホスピタリティに関する本でした。その時は、ホスピタリティを提供する企業群に就活をかけようと考えていたので、大げさではなく度肝を抜かれましたね。」
國枝裕くんは、その時の光景がフラッシュバックしたのか、目をパチパチさせながら語り続けました。
「統合型スポーツ施設をテーマにしようとしていたIくんには、スポーツビジネスの展開がわかる本、イチロー選手のバットに特化してリサーチしようとしていたHくんには、アオダモの木の本・・と、1週間もしないうちにゼミ生全員の基幹本を手に入れて、涼しい顔をしている竹澤先生には、全員が『まいりました』という顔をしていました。しかも・・。」
私は、國枝くんをさえぎって発言しました。
「しかも、この基幹本に必ずしもこだわらなくていいよ。ただ、大学生としての研究の入り口だと思って、気になる記述に10か所以上付箋を貼ってきてと言ったよね?」
國枝くんは、呆気(あっけ)にとられたような顔をしました。
「先生、覚えていらっしゃるんですか?」
「もちろん、覚えているさ。だって、ゼミ生の意表をついて本をそろえて、とりあえず読むように仕向けて、10か所というキーワードのもとに動かすのは、アクティブラーニングの王道だからね。人を動かそうと思ったら、十分な計画を持って仕掛けをつくらないと。そして、そこから出てきたものを、ずっと継続してつないでいかないと、学びも活動も継続しないと思うよ。」
こう言うと、私は、國枝くんに、あることを気づかせようとしました。
「國枝くんさ、竹澤研究室の白板に、何が記されているか知っているよね?」
「もちろんです。4年生の就活経過、そして3年生のインターンシップ経過がもれなく記されています。19人分の現況が、全部見える化されています。」
「そうそう、その見える化だよね。就活は本来、個人情報なわけだけど、竹澤ゼミは最初の合意で、全員分、見える化しているよね。改めて、なぜだと思う?」
(つづく)