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◇愛情教育、この指とまれ◇その840◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.30竹澤 伸一

「先生が1から10までご存知の通り、自分はとことんこだわった就活をしました。で、失敗した部分と成功した部分があります。失敗も成功も、すべて土台にして、自分の人生、三元中継で送っていきたいと思っています。」

廣瀨英司くんは、実にさっぱりとした表情で語り出しました。私は、この歯切れの良さが、廣瀨くんの大きな魅力の1つだと思っています。

「で、その三元・・の3つって何なの?」

本連載を始めて以来、「何なの?」「何故なの?」「何故そうしたの?」と、テンポ良く聴く私の癖が、またまた炸裂しました。でも廣瀨くんの「歯切れの良さ」は、私を凌駕(りょうが)します。

廣「1つは、内定をいただいた建築会社で、誠実な営業マンになることです。」

竹「営業マンの前に、『誠実な』がつく理由は何なの?」

廣「だって先生、お客様にとって、家は一生に一度の買い物じゃないですか。私の就職先は、技術と品質にかけては折り紙つきなので、私の役割は、いかにお客様の要望を誠実に聴き取って、会社に伝えるかに尽きると思っています。」

竹「なるほどね。んじゃ、2つ目は何なの?」

廣「学生時代にご縁をいただいた消防団の活動を、社会人になっても続けることです。」

竹「なるほど、それは確かに大事なことだと思うけど、大丈夫?勤務の関係で、時間確保はできるのかな?」

廣瀨くん、少し間をあけました。迷っているのかな、と思った私を尻目に、こう言いました。

廣「先生、まだまだ認識が甘いと思いますよ。消防団員の多くは社会人ですよ。皆さん、自分たちの大事な地域を守るために、手弁当で参加されているんです。そんな尊い活動から撤退したら、私は自分を許せなくなります。それに、せっかく覚えたポンプ操法を忘れたくありませんしね。」

「やはりそうなんだ。」私はうれしくなりました。では、最後の3つ目は?廣瀨くん、「それはまだ秘密です。」を連呼して、結局答えてはくれませんでした。

(つづく)