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◇愛情教育、この指とまれ◇その860◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.50竹澤 伸一
「自分の生涯の目標は、生徒のためになる先生になることです。」
福嶋翔悟くんは、清々しさを感じさせる口調で語り出しました。福嶋くんから、「子ども」「生徒」という言葉が飛び出す時、福嶋くんの表情は、本当に柔和になります。
さて、福嶋くんが語った「生徒のためになる先生」について、福嶋くんとともに考えてみたいと思います。
私が、中学校教員だった時に出会った数千人の「先生」のうち、「生徒のためになる先生」として紹介したい方が、確実に2人存在します。K先生とH先生です。
K先生は、私が駆け出しの教員だった時に、私が所属した学年の学年主任をしていました。この出会いが、私の教師としての基礎をつくったと言って過言ではありません。今でも、私の脳裏から離れないK先生の教えに、「見逃すな」があります。
「見逃すな」を一番発揮しなければならない場面があります。朝一番の教室です。登校してくる1人1人の生徒の表情です。K先生は、その「朝の表情」に、生徒の内面の状況が如実に表れていると常に言っていました。昨日まで、あるいは先週まで、明るく屈託のない表情をしていた生徒が、ある朝、くすんで見える時があります。「あれ、変だぞ・・、何かあったかな?」表情の変化を「見逃すことなく」、その日のうちに必ず声をかけなさいと、常に諭されてきました。今でも忘れられない私の「教師訓」です。
H先生は、私が二度目に所属した学年の学年主任の先生でした。徹底して、「上から目線」を嫌う先生でした。元気のいい生徒、羽目をはずす生徒、強がりを言う生徒、自分勝手な生徒、サボって逃げる生徒、表情の乏しい生徒、時として暴言を吐く生徒・・、どんな生徒に対しても、「同じ目線」になって話を聴いていました。H先生の生き方も、今の私の姿勢の根底にあります。
この「恩師」お二人には共通点があります。大人(教師)の都合で、生徒に理不尽な言動を押しつけることを決してしなかったこと。文字通りの「子どもファースト」であったこと。空疎な言葉ではなく、行動を通して生徒に愛情をかけたこと。語り尽くせない教えを、私に残してくださったこと。
福嶋くん、どうか精進をして、「生徒のためになる先生」になってください。
(つづく)