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◇愛情教育、この指とまれ◇その873◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.63竹澤 伸一

「あることで(注、後々の回で種明かしします)、スペインに1か月留学をしました。日本語以外の環境と、文化の違いに直面しました。もちろん、そのことで楽しさを感じたことも確かです。でも、強烈に感じたのは、自分がどれほど日本を愛しているかということ、またそれ以上に、どれだけ日本の友だちが好きかということでした。一時、自分は、周囲とのコミュニケーションなんかいらないやと思っていたのですが、海外に行って過ごしてみて、コミュニケーションの大切さを再認識しました。」

こう語るのは、永松廉(ナガマツ レン)くん。「あること」も含めて、ずっとずっと応援し続けたい名産大生です。

読者の皆さまの中には、すでに永松くんの「あること」を十分ご存知の方もいらっしゃると思います。「永松廉」と、ネット検索すれば、いわゆるネタバレの記事も出てきます。でも、しばらくは「あること」でまいります。お付き合いください。

永松くんに役立つかどうかはわかりませんが、私のつたない海外体験から得たことを、最初に書いておきたくなりました。私は、大学の卒業期に、「ある事情」から、海外に「逃亡」しました。あ、犯罪がらみではないですよ、念のため。決まっていた就活は蹴飛ばすわ、身内に迷惑はかけるわと散々でしたが、当時、100%日本人とは会わない海外の某所に、あえて身を置きました。

その時です。冒頭に記した、永松くんとほぼ同じ感慨にとらわれることになりました。ふだん意識したことのなかった、「自分は日本人」という感慨に、急に目覚めたのです。でも当時の私は、ものすごく疑り深いところがあり、「自分は日本人」と気づかされた後も、日本人が誰もいないと思われる国々を、その後数か国渡り歩くことになるのです。体当たりの英語と、手前勝手なコミュニケーション手段で、時々の難儀を乗り切っていきましたが、最後に某大国にたどり着いて、当時の私の「逃避行」は終わりました。

本連載の読者の中には、海外体験がない方々もいらっしゃると思います。名産大には、海外語学研修や海外インターンシップ等の「海外メニュー」が用意されています。1つのきっかけとして有効活用できるものと思われます。永松くんの体験は、それとは異なりますが、永松くんが卒業後に選んだ道と、冒頭の1か月は密接な関係があります。永松くんを深掘りします。

(つづく)