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◇愛情教育、この指とまれ◇その878◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.68竹澤 伸一

令和2年度がスタートします。「名産大4年生物語」も、あと3回となります。年度末の慌ただしい中、何とか取材することができた4年生の「物語」は、終了となります。過日、3月19日の学位授与式を経て、4年生は皆、社会に巣立っていきました。活躍を心から祈りたいと思います。

それにしても新型コロナウィルス感染症(新型肺炎)は、新社会人にも大きな影響を残しました。各事業所で例年実施される、新人(新入社員)に対する事前研修は、軒並み中止、もしくは延期でした。4月から心機一転、社会人として頑張るぞと思っていた彼らの、出鼻を挫くことになりました。

学位授与式(卒業式)から数日経ったある日の晩に、ふと、4年生(卒業生)2人が研究室を訪ねてきました。私は2人の顔を見るなり、こう言いました。

「やあ、こんばんは。お二人ともなかなか会えなくて、お話が聴けませんでした。『4年生物語』に取り上げることができなくて、申し訳なかったね。」

2人は、私が勧めるインスタントドリンクをひと口飲むと、こう言いました。

「先生には、就活が佳境にかかった時に、本当に無理言って、履歴書のサポートをしていただきました。その御礼もきちんと言わないで、すみませんでした。」

「私なんか、前日の夜に送られてきた、ウェブ提出の履歴書を、翌日の午前中までに提出するという離れ業を、先生に手伝っていただきました。あれができたおかげで、その後の選考がうまく進みました。本当に感謝しています。」

「ずっと御礼を言おうと思っていたのですが、バタバタしていて今日になってしまいました。これ、良かったら受け取ってください。」

そう言うと2人は、細身の箱を私に差し出しました。開けてみると、ネクタイでした。

「自分たち2人で、メンズの店を数店回りました。どんなネクタイが先生に似合うのか見当がつかなかったので、たまたま最後の店にいた、先生と年恰好が似ている店員さんがつけていたネクタイを見て、すみません、それと同じものをくださいって言ったら、めちゃくちゃ笑われました(笑)。」

(つづく)