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◇愛情教育、この指とまれ◇その895◇紙上討論、アクティブラーニングについて本音で語り合う。 vol.15竹澤 伸一

「0か100」ではなく、「1%から99%」のどこかに「アクティブ度」が落ち着くというところまで、討論が進行してきました。ここで、この「紙上討論」に寄せられた読者の皆さまからのメール等をご紹介いたします。ただし、「なぜ1000回で、8月1日で、連載をやめてしまうのか?」という問いには、個々には返信しておりますが、連載上ではお答えいたしません。すみません、よろしくお願いいたします。

さて、あと数か月で62歳を迎える私にも、失礼を承知で書かせていただくと「存命の恩師」が何人かいらっしゃいます。その中には、この「紙上討論」を始めるにあたってご紹介した、「討論には直接参加しないけれど、意見表明はしたい9名」の中の方がいらっしゃいます。この度、御年88歳の「恩師」から、便箋23枚に及ぶお便りを頂戴したので、ご了解を得て、かいつまんで紹介いたします。なお、この方は、小学校教師から大学教員に転じた方で、「幼小中高大」あらゆるステージの授業づくりに関して、数百の著書・論文がある碩学(せきがく)と呼ぶべき方です。

「・・・紙上討論を、興味深く拝読しています。でもね、竹澤くん、君は1つ討論者の皆さんや、多くの読者の皆さまに語ってないことがあるよ。君は、中学校に勤めている時もそうだったけど、大学教員になってからも、生徒や学生1人1人の『プロフィールノート』を作っているよね。(中略)研究会や学会の際に、君に会う度に見せてもらってきたけど、大学教員になってからも、自分と関わる学生のプロフィールを、いつも丹念に書き込んでいるよね。出身地だったり、出身校だったり、どんなスポーツをやってきたかとか、科目は何が好きで何が嫌いかとか・・。(中略)去年の秋に驚かされたのは、学生がどんなアルバイトをしているのかとか、教職に限らず、どんな職業に興味関心を持っているのかとか、あるいはもっと踏み込んだ個人的な嗜好のことまでメモしてあったよね。そんな細かい個人情報が、どこまで授業づくりに役立つのか懐疑的ではあったけれど、君の800回を超える、学生プロデュース(これは君自身の言葉だね)の連載を改めて読むと、なるほどと納得させられた。(中略)君は、大学の、教職や環境の授業づくりをする時に、『こういうプロフィールを持った学生には、こういうことをわかってもらうのが良いのではないか』とか、『将来の志望につながるような、こんな教材が良いのではないか』とかを思い描きながら進めているよね・・。」

(つづく、あと105回)