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◇愛情教育、この指とまれ◇その898◇紙上討論、アクティブラーニングについて本音で語り合う。 vol.18竹澤 伸一

「この学生に読ませて良いのか、書かせてよいのか、議論などさせて良いのか、不安になりませんか?」と、「紙上討論」のメンバー4人に私が問いかけたら、4人以上に鋭く反応したのが読者の皆さまでした。

「竹澤先生が、今接しているのは、二十歳前後の大学生ですよね?幼稚園児や小・中学生ならわかるのですが、竹澤先生は、大学生にそこまで気を遣うのですか?」(小学校現役教諭)

「うちの大学の先生など、そもそも学生のことを何とも思っていません。たまに、思い出したようにグループワークなどを始めちゃったりするけど、学生は先生がちゃんと聞いていないことを知っているので、本音でトークなどしないし、活動などしません。(中略)竹澤先生、学生にそこまで気を遣って、疲れませんか?」(愛知県内の大学2年生)

「学生に活動させることに不安を覚える先生って、ある面で誠実な先生なのだと思います。うちの高校の先生なんて、読むのが苦手な生徒にわざと当てるし、その生徒にフォローもしないし。中学校の時の先生は、逆に読むのが得意な生徒か、自分のお気に入りの生徒にしか当てなかったし。(中略)たった1つの授業をするのに、生徒のプロフィールをつくったり、読ませようか、書かせようか、いちいち迷ったり・・。生徒のために悩んでくれる先生っていいなと思います。(後略)」(某関西圏内の高校生)

読者の皆さま、買い被り過ぎです。けれど、ただ1つ言えることは、学生(生徒)に「高次の思考」(「一般的特徴」の3番目)をしてもらうためには、「読む・書く・議論するという活動」(同4番目)が不可欠であり、そのためには、予め「読ませて大丈夫な学生」かどうか吟味する必要があり、さらに「読ませるのに不安がある学生」には、事前に何らかの支援をして「少しの自信」を持ってもらい、なおかつ、「たどたどしい読み」であっても決して笑われない雰囲気を、教室の中につくっておく必要があるのです。

アクティブラーニングはAIがおこなうものではなく、あくまでも人間がおこなうものなのです。AIには乏しく、人間には豊富なもの、それは感情です。私が、たとえ何百人いようが学生の「プロフィールノート」をつくるのは、「この教室に今日いて良かった」という「感情」を持ってもらうためでもあるのです。

(つづく、あと102回)