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◇愛情教育、この指とまれ◇その910◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.10竹澤 伸一

前回のつづきになります。アクティブラーニング実施反対の「理由書」の、後半部分です。

「・・・、他大学のオープンキャンパスに参加した後、アクティブラーニングに少々幻滅して、でも気を取り直して、娘と2人で色々調べてみました。気づいたことは、世の中にはこんなにも、アクティブラーニングと名の付くものが出回っているのか、ということです。そして、本当にこれってアクティブラーニングなの?という代物(しろもの)が多い、ということです。(中略)大学ではないのですが、こんな取り組みも、アクティブラーニングとして紹介されていました。先生が授業の最初にプリントを配ります。生徒は一斉に問題を解き始めます。当然、学力差があるので、早く終わる子と、時間のかかる子が出ます。早く終わった子は、先生に採点してもらい、満点をもらえたら待機します。この待機組が何人かそろったところで、苦戦している子のところに派遣されて、一緒に問題を解きます。こうして、最後の1人が問題を解き終えたところで先生登場ということになり、全体のまとめをして終了となります。(中略)この『プリント援助ごっこ』を、その著作物は『究極のアクティブラーニング』と称し、自画自賛しているのですが、竹澤先生は、どう思われますか?もちろん、『自画自賛』の根拠として、生徒同士の『対話的で深い学びが随所に存在しているから』と記されているのですが、竹澤先生は同意されますか?(中略)私は、このような『アクティブラーニングもどき』が横行している現状を憂い、だから、アクティブラーニングの実施には、賛成だけど反対なのです。(後略)」

「アクティブラーニングの実施には、賛成だけど反対」という「理由書」でのご指摘、私は重く受け止めたいと思います。文中にあるような「プリント援助ごっこ」の授業を、私自身も参観して、がっかりした覚えがあります。こんな「ごっこ」を繰り返しているから、そもそも「講義しかできない教師群」から、「活動あって中身無し」と揶揄(やゆ)されてしまうんだよ!と、腹がたったのも覚えています。

けれども、「理由書」を送ってくださった読者の方も、アクティブラーニングには期待し、「人生には役立たない」と回答された方は「0人」だったのです。私は、「本物の」アクティブラーニングを知っています。十分でない部分もありますが実践しています。ただ、普及は「道遠し」の状態です。

次回から、「夢を語る」の連載に戻ります。

(つづく、あと90回)