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◇愛情教育、この指とまれ◇その909◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.9竹澤 伸一

「紙上討論、アクティブラーニングについて本音で語り合う。」の連載に対するアンケートへの回答で、「アクティブラーニングの実施に賛成か反対か」と問うたところ、「賛成955」に対して「反対3」という結果が出たことは、前回記しました。しかし、「反対」と回答を寄せた方、3人のうち、2人の方が、期せずして同一趣旨の長文の「理由」を送ってこられたので、「要旨」をお伝えいたします。

「(前略)竹澤先生、連日、コロナ禍で大変なところ、貴重な連載をありがとうございます。今回、先生が実施されたアクティブラーニングについてのアンケートで、賛成か反対かという、身もフタもないような(笑)問いに対して、私はあえて『反対』と答えました。でも、実は、アクティブラーニングを実施することには、もろ手を挙げて賛成なんです。ただ、現状の粗製乱造(そせいらんぞう)のような『アクティブラーニングもどき』が氾濫(はんらん)している状態では、アクティブラーニングについては『いかがなものか』と考えざるを得ないのです。(中略)先日、ある大学のオープンキャンパスに参加し、アクティブラーニングが売りという(笑)先生の講義(注、その大学では、アクティブラーニングなのに授業と言わず講義と言っていました。)に、娘とともに参加してきました。(中略)45分という時間設定の影響もあったのかも知れないのですが、先生が問いを出し、娘も含めた20人ほどの高校生が5つのグループに分かれて話し合い、その結果をマグネット白板に記して持ち寄り、白板に並べて貼りつけました。5グループ5様の意見が出され、親の私が見ても明確な対立軸があったのに、その先生は、そこから揉みあげることをせずスルーして次の課題に進んでしまい、いわゆる『対話的で深い学び』には至らないで終わってしまいました。

(中略)オープンキャンパスの帰り道で、娘がいみじくもこう言いました。『課題も面白かったし、グループディスカッションも盛り上がった。でも、グループごとの意見が出そろったところで、違うグループの意見に対して言いたいことを言ってやろうと身構えたのに、尻切れトンボに終わって残念だった。残り時間は十分にあったのに。あの先生、アクティブラーニングの意味がわかってないんじゃないの?』生意気盛りの娘であり、ふだん、腹立たしい言動も多々あるのですが、この時ばかりは、娘の言うことに、もろ手を挙げて賛成してしまいました。(この「理由」書、次回にも続きます。実物はA4判3枚に及びます。もちろんご本人の掲載許諾を得ています。)」

(つづく、あと91回)