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◇愛情教育、この指とまれ◇その926◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.26竹澤 伸一

「まったく、コロナ禍の影響で、私たちの大学生活も一変してしまいました。でも、私には、確かなものが3つあります。その3つを信じて、日々、できることをやっていきたいと思います。」

宮脇正志くんは、覚悟を決めるかのように語ってくれました。

竹「3つのうちの1つが、5年後、10年後も立っているであろう、若者育成の現場だね。」

宮脇くん、大きくうなずくと、こう言いました。

宮「私だって、まだ20代前半の未熟者です。けれど未熟者であるからこそ、諸先輩と積極的に会話することで、動き方ややるべきことをつかんでいくのです。」

竹「ということは、3つのうちの2つ目は、宮脇くんを導いてくださる先輩方というわけだね?」

宮脇くん、にっこりして話を続けました。

宮「はい。今、携わっている現場でもそうですが、私の20年余りの人生では、本当に先輩方に恵まれたと思っています。ずっと取り組んできた競技スポーツは、同時に、もっと言えば瞬間的に、色々な動きや判断をしなければなりません。シングルタスクではなくてマルチタスクの連続なのです。プレーを通して、その都度、監督さんやコーチの皆さん、あるいは先輩方に、動きと判断を教えられてきました。ですから、今の私があるのも、一朝一夕ではなく、小さなマルチタスクの積み重ねが大きいのだと思います。」

宮脇くんの話から、私は、私自身に「路(みち)」をつけてくださった、諸先輩方を思い出していました。宮脇くんと違い、たぶん私は、諸先輩方から見れば、鼻持ちならない生意気な奴だったに違いありません。けれど先輩方は、そんな私を見捨てずに、還暦を過ぎた今でも導こうとしてくださいます。本当にありがたい存在です・・。

宮「先生、どうかしましたか?」

宮脇くんのひと言で、ハッと我に返った私は、慌てて聴きました。

竹「となると3つ目は、その競技スポーツということかな?」

宮「はい、そうです。ずっと長く、ひとつのことに打ち込んできて良かったです。生涯スポーツとよく言いますが、今、実感しています。先生にも、確かなものがありますよね?」

(つづく、あと74回)