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◇愛情教育、この指とまれ◇その936◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.36竹澤 伸一

「私にとって、恩人の1人が、コーチのKさんです。以前に、竹澤先生の取材を受けた時に、あらましをお話しましたが、私の、ボリビアでのサッカー留学をアシストし、コーディネートしてくださったのも、まさしくKさんなのです。」

中山純希くんは、最大限の感謝を表しながら語ってくれました。私は、中山くんに、どうしても聴いてみたいことが生じました。

竹「中山くん、長いことサッカー一筋にプレーしてきている中山くんにとって、コーチって、どのような存在なのかな?」

中「違いがわかる人のことじゃないでしょうか?」

中山くん、まさに電光石火のごとく答えました。一瞬、呆気にとられた私を見て、にっこりしながら、中山くんは語ってくれました。

中「例えば同じチーム内に、FW(フォワード)が20名、MF(ミドルフィルダー)が35名、DF(ディフェンダー)が35名、GK(ゴールキーパー)が10名、合計100名の選手がいるとします。コーチや監督は、試合ごとに、最適解の11名を先発させて臨むわけです。では、DF35名のうち、最適の4名、ないしは3名は誰なのか、常に選択を求められるのは、第1に監督、第2にコーチということになりますが、とりわけ選手に一番近い位置にいるのがコーチなんだと思います。ですから、35人の『違い』を全部把握しているのがコーチなんだと思います。それに・・。」

中山くん、ここでいったん言葉を切りました。私は、思わず聴き入っている自分を感じていました。

中「私に対してKさんは、他の選手と違った対応をしてくださるんです。私の適性に合わせたプランを提示してくださると言ったほうがよろしいかも知れません。もちろんKさんは、他の選手にも、1人1人同じことをされていると思います。100人いたら100通りの対応です。すごいとしか言いようがありません・・。教職を取っている自分、海外に出ようとしている自分、『違い』がわかる自分になりたいです。」

読者の皆さま、決して錯覚ではないのです。私は、中山くんの中に、「大きな光」を見たような気がしました。

(つづく、あと64回)