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◇愛情教育、この指とまれ◇その940◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.40竹澤 伸一

高校生の皆さまからのメールが増えたと、このところ記していますが、古田愛華さんへも、たくさんいただきました。その中から1通、抜粋してご紹介します。

「・・・私は、古田さんの記事の中で、『天職』という表現が、とても心に響きました。古田さんは、『動物ふれあい施設』への就職をめざしていらっしゃるのですが、私は看護師になることをめざしています。私の母が看護師であるのも理由なのですが、先日亡くなった、母の姉である伯母が、やはり看護師で、その遺志を継いでいきたいと思うからです。(中略)

事情があって母子家庭で育った私を、小さい時から母と交代で面倒をみてくれたのが伯母でした。まるで仕事と結婚してしまったかのような伯母は、生涯独身でした。ところが先日、47歳の若さで、夜勤を終え自宅に帰る途中の路上で突然倒れ、帰らぬ人となりました。(中略)

ご存知のように、今、医療従事者は、かつてない過酷な勤務にさらされています。母もそうですが、伯母の勤めていた病院は、コロナ禍で極度の緊張を強いられる病院でした。(中略)

勘違いしないでいただきたいのですが、伯母は決してコロナに感染して亡くなったわけではありません。病名は伏せますが、過労による突然死に近いものと診断されました。人一倍責任感の強い伯母は、『病棟に空白をつくるわけにはいかない』と口癖のように言って、時には、育児中の若い看護師に代わって勤務を引き受けるなどの行動をしていたと聞きました。そのせいか、伯母の葬儀には、今の勤務先関係の方々だけではなく、前の勤務先の皆さま、伯母が看護して快癒されたもと患者の方々など、信じられない数の方々が、「三密」をもいとわず参列してくださったのです。そして、参列者の中から多く聞かれた言葉が、『〇〇さん、看護師が天職でしたね。』でした。(中略)

古田さんが感じていらっしゃる『天職』と、少し意味合いが異なるかも知れません。しかし、私は伯母を誇りにし、伯母のように看護師を『天職』としていきたいと思います。(後略)」

私は、このメールを、午前0時くらいに拝受しました。涙が止まらなくなり、とうとう朝まで一睡もできませんでした。「天職」に殉じた伯母様のご冥福を心からお祈りするとともに、「天職」に向かおうとしている2人の若人を応援しようと、改めて心に誓いました。

(つづく、あと60回)