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◇愛情教育、この指とまれ◇その942◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.42竹澤 伸一

「世界中を旅することができたら、その体験を、社会科の先生になって、生徒たちに伝えたいと思うんですよ。5年後になるか、10年後になるか、わかりませんけどね。」

錦古里拓海くんは、教壇に立って、自分が世界を語っているシーンを想像しているようでした。私は、ぜひ実現してほしいと、心から感じて、こんなことを言いました。

竹「今はパソコンの前に座れば、居ながらにして世界中を旅することができる時代だよね。少しの操作によって、動画でも静止画でも、自分の行きたい国の情報が手に入る気がするよね。でも、パソコンの画面に映っているのは、あくまでも他人によって切り取られた場面なんだよね。どんなことでもそうだけど、自分で直接見たもの、直接感じたもの、直接触れたもの・・には敵わないんだよね。」

私の発言は、後半になるほどトーンダウンして行きました。錦古里くんも、もちろん私自身も、2つの現実に気づいたからです。錦古里くん、少し寂しそうに言いました。

錦「本当に、行けるものなら、今すぐにでも、バックパッカーとして出発したいです。でも、このコロナ禍の世の中で、それは不可能です。そして、仮にコロナ禍が起こっていなくても、本当に行きたいところ、行って見てみたいところに、足を踏み入れるのは難しいでしょうね。」

竹「錦古里くんが、足を踏み入れたいってところは、例えばどこ?」

私は興味津々の体で、身を乗り出すように聴いてしまいました。錦古里くんは、私の言葉をゆっくり受け止めると、こう言いました。

錦「例えばサハラ砂漠です。日本にいて、巨大化した台風の影響を肌身で知れば、地球温暖化の影響を、多少は知ることができます。でも、サハラ砂漠あるいはその周辺(注、通称サヘル地方)に行かなければ、本物の砂漠化なんて実感することはできないと思うんです。あるいは南極とか北極とか・・。地球温暖化の影響で、氷山が溶けだして・・という映像は見ますが、本当にそうなのか、見た人はなかなかいませんよね。砂漠や極地方を、バックパッカーとして訪ねるのは現実的ではないかも知れませんが(笑)、何とか1つでも多く、この目で見たことを生徒に伝えられる人間になりたいと思います。」

読者の皆さま、いかがでしょうか。錦古里くんの夢、応援したいですよね。

(つづく、あと58回)