NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その957◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.57竹澤 伸一

「特に最近、ウェブや新聞、雑誌からの情報を、色々組み合わせて考えるようになってきたんです。メディアミックス自分版のようなことです。で、だんだんわかってきたんですが、情報リテラシーなんて簡単に言いますが、複数の情報から真実を見つけ出していくって、決して簡単ではないですよね?」

大槻太一くん、いきなり本質的なところを突いてきました。

竹「すごいね、大槻くん。世間の人たちが、いったい何割、『メディアミックス自分版』を発動させているのか、私には見当もつかないな。」

大槻くん、少しため息をつくような感じで、こう言いました。

大「情報を集めて、確かな情報になるように精度を上げて、子どもたちのための授業づくりをしたいと思った時から、ようやく私も『自分版』に目覚めた感じなんです。恥ずかしいことに、ネットニュースの鵜呑みを、長いことやってきたような気もしていますし・・。」

読者の皆さま、いかがでしょうか。これからずっと続くであろうコロナの時代に、真贋錯綜(しんがんさくそう)することが予想できる情報を、いかにより分けて生きていくのか、1人1人にとって大問題ですよね?情報の理解度をチェックしながら行動選択しないと、思わぬ落とし穴にハマってしまいそうです。

大「先生、大きな問題である『わかりやすい授業』に戻っていいですか?」

竹「ん、ああ、そうだね・・。今の話の流れから言うと、授業も1つの情報を捕まえる場であるから、大槻くんの言う『メディアミックス自分版』を、授業の中でも応用したいよね。」

大槻くん、ふっと、自分の中で合点が行ったようでした。

大「授業中、生徒から発せられる情報というのがあると思うんです。特に、『先生の言ってること、よくわかりません』というサインのようなものだと思うんです。理解度を確認しながら進められる授業って、間違いなく良い授業だと思うんですよね。」

私は、大槻くんから、またも大切なことを教えてもらいました。世に氾濫(はんらん)する、フェイクニュースも含めた「情報」は、むしろ理解されることを前提としていない「情報」のような気がします。そしてそれは、まさに「垂れ流しの講義」と同種のものです。大槻くんとのやり取りで、私は1つ開眼しました。ありがとう、大槻くん。

(つづく、あと43回)