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◇愛情教育、この指とまれ◇その979◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.79竹澤 伸一

「先生、Jリーガーの社会貢献ってすごいんですよ。子どもたちに対するサッカー教室の開催は当たり前として、へぇー、こんなことまでやっているんだという試みが目白押しなんですよ。もともと、地域密着がコンセプトで始まったJリーグなので、地域貢献が前提になってはいるんでしょうけど、決して付け焼き刃の活動ではないものがたくさんあるんです。」

篭橋将輝くんが、やや興奮気味に研究室に飛び込んできました。私は、やる気になって調べようとしていることに、

決してブレーキはかけません。むしろ、火に油を注ぐべく、こんな質問をしました。

竹「篭橋くんが、調べて突き止めたJリーグの社会貢献の中で、一番ズキューンときたものは何?」

篭橋くん、もちろん即答です。

「J1の〇〇がやっていることなんですが、『夢で逢いましょうプロジェクト』というイベントがあるんですよ。本物のJリーガーが、市内の小・中学校を訪ねます。そこで、子どもたちとトークショーをするんです。

『自分の夢』というテーマで、台本も脚本もない、ぶっつけ本番のトークを展開するんです。もちろん選手たちは、Jリーガーとして果たしたい夢を率直に語ります。それに対して子どもたちは、等身大の夢を飾らずに語るんですね。選手やコーチの皆さんは、どうやったら子どもたちの夢が実現に近づくのか、時間をかけてじっくり語り合うんです。いっさいのヤラセも演出もないので、子どもたちにとっては、宝物の時間になるでしょうね。」

篭橋くん、まるで実際に、その現場にいたかのように語ります。素直な共感がそうさせるのでしょう。私は、ここだなと思いました。

竹「篭橋くんは、そうした社会貢献を重ねるJリーグの、スタッフの一員になりたいと思っているのかな?」

篭橋くん、みるみる表情が引き締まっていきました。

篭「はい、できれば、そういう仕事がしてみたいなと思っています。もちろんJリーグ限定ではなく、スポーツをやる側というより、運営して、支えて、結果として社会貢献につながるような仕事ですかね。」

それからしばらく、篭橋くんと語り合いました。帰り際に篭橋くん、こう言い残しました。「先生、次はスポーツ経営学の授業を取ってみたいと思います。」

(つづく、あと21回)