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◇愛情教育、この指とまれ◇その987◇名産大生、5年後、10年後の夢を語る。 vol.87竹澤 伸一
本連載で「名産大キャリア支援の今」を語るのも、今回で最後となりました。「キャリア支援の今」シリーズに対してだけで、読者の皆さまからいただいたメール等は8千通を超えます。そのエッセンスを私は、目の前の学生にも活かしてきました。このことも含めて、「キャリア支援の今」だと思っています。
ところで、私はある会社の人事部の人間と、「その949」のアップ以来、ずっとメールで、ラインで、電話で、時には直に会って論争を続けています。G氏とします。G氏は6月11日に記事がアップされて以来、都合8回、私に同趣旨の論争を仕掛けてきました。「竹澤先生は、企業がウェブ面接を実施することを、真正面から批判している。学生は通販品などではないので、ウェブサイトを通じて面接しただけでは、その本質はわかりっこないと言い切っている。就活エージェントの中には、竹澤先生に賛同する方もいる。では、このコロナの世の中で、企業の人事部が、学生の人となりを判断するには、他にどんな方法があるのか。代替案を示してほしい。言いっぱなし、書きっぱなしはよろしくない。」
G氏に挑まれる度に、私も「代替案」を考えました。確かに「代替案」無しの批判はフェアではありません。「なるべく密にならないように被面接者の導線を考え、とにかく短時間でも良いので、人事側と学生が直接会える時間・空間を設定する。」このような回答を、私はG氏に対して投げ返してきました。7月2日の「学内合説」は、まさにこの発想の具体化でしたから。
でもG氏は執拗に(笑)食い下がってきます。「面接会場で3密は回避できても、学生に我が社に来てもらうだけで、感染リスクがある。」「これは学生から出ている意見だが、ウェブ面接だと交通費がかからないし移動時間も節約できて、かえって助かっている。」「我々人事担当には、長年の蓄積がある。たとえ画面越しであっても、その学生の本質を見る目は持っているつもりだ。」
そこで私は、8回目の論争の最後に、G氏にこう問いかけてみました。
「なるほど、Gさんのおっしゃることはごもっともです。でも、あえて伺います。私は、学生とほとんど対面できていない授業で(注、名産大は7月6日から対面授業を再開)、その学生の成績評価をするのは、ものすごく慎重にならざるを得ません。Gさんの会社では、ウェブ面接越しの学生の採否の判断に、一片の不安もありませんか?」
Gさんからの回答は、未だにありません。
(つづく、あと13回)