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◇愛情教育、この指とまれ◇その993◇足かけ4年、忘れ得ぬ方々を想う。 vol.3竹澤 伸一

本連載は、足かけ4年続いています。それを上回るのが、私の「キャリア支援暦」で、大学教員としては7年、中学校教員時を通算すると、軽く30年は超えます。

その「キャリア支援暦」の中で、私は、数多くの「就活エージェント」の方々に出会ってきました。「忘れ得ぬ方々」の3番目は、「就活エージェント」の1人であるYさんです。

Yさんとは、「忘れ得ぬ方々」にいずれご登場願う、私の懐刀であり、名産大のキャリア支援にとってなくてはならないFさんを介して出会いました。なので、それほど長く交流暦があるわけではありません。しかし、人間にとっての関係性の深さは、暦の長さに必ずしも縛られるものではないと思います。出会って数日で、極端な場合には、たった1日で、その人の人生観を変えてしまう人って確かに存在するのです。私にとって、Yさんとはそういう方でした。

ですから、「アクティブラーニングについて本音で語り合う」シリーズにも、登場していただきました。けれども、その時の印象、私も含め討論の参加者の学びをはるかに超える、Yさんからの学びが、かつてあったのです。

Yさんは、ある席で、こうおっしゃったのです。

Y「竹澤先生、私はね、担当している就活生を、自宅まで迎えに行くこともあるんですよ。」

竹「迎えに行くって・・、大学生をですか?」

Y「そうです。大学4年生をです。大学生と事業所をつないでさしあげるのが、我々の仕事です。その相談をするのに、よく喫茶店やファミレスを使います。ところが、約束の時間に現れない学生もいるのです。電話しても出ない。下手をすると、昼過ぎでも寝ていたりするのです。」

竹「それで、自宅やアパートまで迎えに行くのですか?」

Y「はい。ある時なんて、ある会社の面接時刻に現れなかった学生を、つないだ私が迎えに行ったこともありました。笑い話のようですが、実話なのです。」

私は、このYさんとの会話で、Yさんに一発で惚れ込んでしまいました。読者の皆さま、いかがですか?この話を、私のゼミの卒業生にしたところ、反応は様々でした。

(つづく、あと7回)