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◇愛情教育、この指とまれ◇その999◇足かけ4年、忘れ得ぬ方々を想う。 vol.9竹澤 伸一

最後から2人目に登場する方、Fさん。それこそ、私の盟友の1人です。大学職員と教員という立場で、2つの現場をご一緒させていただきました。「キャリア支援(出口支援)こそ、大学の最大の広報」という、特にビジネス系大学における根本原理を、100%共有している同志です。

本連載は、もちろん私が勝手気ままに書いているわけではなく、名産大の色々な方の事前チェックを受けているわけですが、「その1から次号、つまり最終号まで」、すべて予め目を通される方の1人です。もちろん、私が全幅の信頼を寄せている方の1人でもあります。

Fさんとの実質的な出会いには、エピソードがあります。前職で、私はやはり、教員としてのキャリア支援部門におりました。Fさんは、バリバリのキャリアコンサルタントの有資格者で、職員としてキャリア支援の中心的存在でした。

ある日、唐突にFさんが、私の研究室を訪れました。その顔は、やや気色ばんでいました。

F「竹澤先生、先生は研究室で、ゼミの学生以外でも誰でも、ESや履歴書のご指導、あるいは面接練習まで、手取り足取りされていると伺ったのですが、本当ですか?」

私は、Fさんを静かに見つめ返して、こう言いました。

竹「はい、おっしゃる通りですよ。多い日だと、2桁の学生が、研究室に来ますよ。」

Fさんは、さらに目に光を宿して、私に聴きました。

F「大学の先生が、直接、学生に履歴書指導ですか。それって、何のためですか?」

竹「なにね、一番の意味合いは、退学の防止です。就活意識を涵養すれば、退学しないので。」

後日、その時の場面を振り返って、互いに笑顔になります。Fさんと私が、互いにわかり合えた瞬間でした。私が名産大に移った後、程なくFさんも移籍されてきました。従って、「この指とまれ」の歴史は、Fさんとの歴史でもあるのです。別に、「キャリア支援の今」の特集に限らず、連載の様々な場面で、貴重なご示唆をいただいてきました。

普段は、互いに照れ臭いので、面と向かって感謝の気持ちを伝えずらいので、この場を借りて、次の言葉を発します。「Fさん、足かけ4年間の連載を支えてくださり、ありがとうございました。この連載の一部は、確実にFさんのものです。」

(つづく、あと1回)