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◇愛情教育、この指とまれ◇その996◇足かけ4年、忘れ得ぬ方々を想う。 vol.6竹澤 伸一

B社のMさん。新卒採用の人事担当役員をしている方です。本連載の内容に関して、メール等を寄せてくださったことは1度もありません。でも、本連載をも俯瞰(ふかん)して、かつては広報部門、現在は人事担当をしている視点から、今まで約60通のメールをいただきました。「忘れ得ぬ方々」の6人目に挙げさせていただきます。

私がMさんに最初にお会いしたのは、2018年の初夏の頃でした。とある方のツテで、企業人の集まる「オフ会」に招かれ、部課長級の方々が200名ほど集まる情報交換の場に、自ら飛び込んでみました。そこに居るすべての方々が、少なくとも東海3県の明日の経済界を担う方々だと、オープン直後に早や理解しました。皆さん、にこやかに情報交換してはいますが、誰も目は笑っていません。「今日の友は明日の敵」さながらに、飲食を交わしながらも火花が散っていました。私が、職業柄ずっと参加してきた、学会等の懇親会とは似ても似つかない、ピーンと張り詰めた雰囲気でした。

「名産大の竹澤先生ですよね。」

振り返ると、Mさんが立っていました。慌てて名刺を探すと、Mさんは優雅に名刺を差し出して、こう言いました。

「先生が、毎日連載されている、名産大の『この指とまれ』、毎朝、出勤直後に拝読しています。1度、『完』となりかけたので、オヤオヤと思ったのですが、続けていただいて良かったです。大学教員の方で、自ら履歴書講座をやってしまったり、学生をつかまえてはインタビューして記事にするなんて、ある面、破天荒な先生だなあと、ずっと感心して読んでまいりました。先生のようなご努力は、なかなか報われることは少ないのですが、ここに確実に読者が1人いますし、うちの人事の連中は、全員が読んでいますから、ずっと続けてくださいね。」

それ以来、何かのきっかけがある度に、Mさんとは「広報の在り方」「人材育成のノウハウ」等について、意見交換をしてきました。おかげさまで、B社には名産大の学生も採用され、元気に活躍しています。

「今回、先生が連載の筆を止めることについては、何も申し上げません。でも先生との交流は、ずっと続くものと確信しております。」

(つづく、あと4回)