NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その864◇アクティブラーニングで開花しました。 名産大4年生物語 vol.54竹澤 伸一

松岡建晟くんとの会話は急展開します。実は、音響制作のプロに成らんとしている松岡くんは、サッカー部員でもあり、教職学生でもあるのです。読者の皆さま、名産大って多才な学生がいるでしょう?

音響制作なら制作表現、サッカーなら身体表現、そして教職なら主に言語表現になります。表現なので、アウトプットを前提にしたインプットが、極めて重要になります。まさに文科省の言う「認知プロセスの外化」、アクティブラーニングそのものとも言えるでしょう。

さて、では教職学生としての松岡くんはどうだったのでしょう?

「数ある教職科目の中で、一番印象に残っているのは、『教育実習事前指導』なんですよ。」

読者の皆さまの中で、「教育実習事前指導」という、1単位の科目があるのをご存知のかたは、極めて少ないでしょうね。おそらく教育実習の体験者の方でも、記憶に残っている方は稀かも知れません。少々、解説いたします。

4年制大学で教育実習が実施されるのは、一般的には4年生の春学期、5月から6月にかけてが多いです(もちろん、教育実習受け入れ校の事情や方針で、秋になることもあります)。そこで、教育実習に出発する直前の4月に、名産大では、「教育実習事前指導」という教職科目を、集中的に設けています。現在は私が担当しています。

まず最初に、教育実習に行く際の基本的な心構えについて、起こりそうなことを想定しながら丁寧にシミュレーションします。手前味噌ですが、この時ばかりは、かつて中学校の現職教員だった経験がストレートに活きてきます。教育実習には、学校現場特有の盲点とでも呼べそうなことが多数潜んでいるので、昨今の情勢も加味しながら、丁寧にシミュレーションします。ここでも「講義」は一切せず、フルアクティブバージョンで実施します。

「事前指導で、教育実習の数週間を総ざらいしていただきました。『社会科公民科教育法』の時などにはない、ピリピリした緊張感を、教育実習に行く直前に味わえたので、その時のドキドキ感が、かえって本番での冷静な対応を生んだような気がします。」

さすが「制作プレゼン」に長けた松岡くん、言うことが違います。

(つづく)