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◇愛情教育、この指とまれ◇その889◇紙上討論、アクティブラーニングについて本音で語り合う。 vol.9竹澤 伸一

私は、「情報伝達と学生のスキル」に関する討論の切れ目のこの時、ある気の毒な教師について、討論者の皆さんに紹介(一種の情報提供)することにしました。

竹「皆さん、私は、1人の気の毒な教師を知っているんです。ある席上で、滔々と自分の考えを述べていたのですが、自分が主張するアクティブラーニングについての考え方が、実は一番アクティブラーニングから遠いところにあるという事実に、気づいていないのです。たぶん、一生気づくことはないかも知れませんね。その教師は、長時間に渡り、学生に対して内容伝達をします。そして、その伝達中に、学生は色々と考えているはずだと主張するのです。そして、あとで学生自身が表現活動をおこなう時に、伝達した内容を批判的に検討して表現するはずだというのです。この2つの『はずだ』に根本的な間違いが潜んでいることに、皆さん、気づかれますか?」

即座に高校教師のSさんが反応しました。

S「学生が、生徒が考えているはずだ、表現できるはずだって、神様でもない人間である教師が、どうやってつかむのですかね?こう考えているはずだっていうのは、あくまでもその教師の思い込みであって、学生が、1つの事象についてどう考えているかなんて、その場で確認していかない限りわからないと思います。学力の比較的高いと思われる高校生だって、勘ちがいしたり誤解したりするから、我々のような比較的講義度の高い高校教師だって、可能な限り小まめに生徒に確認していくんです。その方、よほど自信家なんですね。」

就活コンサルのYさんも、鋭く反応しました。

Y「私も、就活コンサルを始めたばかりの頃に、目の前の学生が見えていなかったせいか、数々の失敗を重ねました。色々な大学のキャリア系の科目に講師として招かれたのですが、かなり入れ込んでつくったスライドの資料を説明し終えた後で、学生から質問を受けるのですが、まず手が挙がりません。不安になって、逆に学生に質問してみると、さっき説明したばかりの内容がてんで入ってないんです。あえてこう言わせていただくと、何流大学かなんて関係なく、そういう現象が起こるんです。ある先輩コンサルがこう言いました。Y君、即時強化こそ生命線だよと・・。」

(つづく、あと111回)