匠(たくみ)のワザ

事務局 萩原満

12月末に、名古屋市博物館に行ってきました。
お目当ては、企画展の「特撮博物館」。館長は庵野秀明氏、若い皆さんにはエヴァンゲリオンの監督、といえば通じますでしょうか。

昭和の特撮番組で実際に使用された科学兵器のミニチュアや、特撮ヒーロー・怪獣の着ぐるみが多数展示してあり、我々アラフォー世代の人間にはとても懐かしく興味深いものばかりでした。
特撮シーンは現在だったらCGで簡単に出来てしまうものも多くありますが、昭和の人たちは低予算の制作環境下で、創意と工夫を駆使して、子どもたちが夢見る奇想天外な世界を築き上げてきました。例えば、ミニチュアセットに奥行きをもたせるために手前の建物を大きく奥の建物を小さく作ったり、爆破シーンをリアルにみせるためにビルの素材を食べ物のアメで造ったり、一体の怪獣の着ぐるみにヒレや角をつけて別の怪獣として何回も使い回す等、さまざまな手法で番組を製作しました。
今回の企画展で展示されているミニチュアは使用から数十年経過しているため、色あせて錆が浮いている物も多くありましたが、その事により、かえって一つ一つの作品から「凄み」が醸し出されていました。改めて職人さんたちの技に敬意を払いたいと思います。

さて、これから進路を考える学生の皆さん、自分の将来について、なかなかそのイメージが湧かないこともあるでしょう。そんな時はあまり難しく思い詰めず、身近なところにある「職人」の技にふれて考えてみてはどうでしょう。たとえば近くのラーメン屋さん、看板屋さん等からも何かインスパイアされることがあるかもしれませんよ。