それぞれの就活ドラマ

キャリア支援課 松原伸一

照れながらスマートフォンのファインダーに向かってポーズ―。3月18日に行われた卒業式で、何人かの卒業生と記念写真に収まりました。中には、私の手を握りしめ「お世話になりました」と、日ごろ見せたことのない神妙な面持ちで頭を下げる学生もいて、胸が熱くなりました。

いつも豪快なA君は、内定が決まった8月まで、ほぼ毎週のように訪ねてきました。態度とは裏腹に心細かったのだと思います。優秀なB君は5月に内々定を得て早々と就活を終えたはずが、10月の内定日直前に「辞退したい」と相談に。ぎりぎりの選択を迫られ、クールで強気な彼が、私の提案に素直にうなずいていました。

また、高校中退を悔いて一念発起して入学したC君は、持ち前の粘り強さを発揮。何度も面接練習を重ね、希望の大手に内定しました。控えめな性格のDさんは、面接が苦手。面接練習で涙ぐんだこともありましたが、あきらめることなく就活を続け、年明けに喜びの報告をしてくれました。

卒業式までのこの1年、大半の学生たちの就職活動に携わり、それぞれのドラマに立ち会ってきました。せっかくキャリア支援課を頼ってくれたのだから、気持ちに応えたい。一人ひとりと入念に作戦を練り、内定までの駒を進めてきました。自律的な就職活動を促すよう、人生の棚卸と将来の方向性について、最も時間をかけて一緒に考えたつもりです。

さて、卒業生のみなさん。まずはお疲れ様でした。苦労して自らの手でつかみとった就職先です。4月から胸を張って出勤してください。活躍を期待している多くの方々が、みなさんを待っています。そして、何とか4月入社を目指す活動中のみなさん。一緒にもうひと踏ん張りしましょう。