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◇愛情教育、この指とまれ◇その37◇松下奈美子先生の社会認識系の授業vol.3 竹澤 伸一

 例えば中国、春秋時代の呉王の愛姫である西施、あるいは唐の玄宗の愛姫である楊貴妃、「傾城」と言われる絶世の美女だったと言われています。では「傾城」って何?読者、特に高校生の皆さま、ご自分で調べてみてください。

 思考のベースに歴史(学)があるという松下先生語録。「歴史のドラマ性を感じてほしい。」「思いがけない大どんでん返しがあるよ。」「歴史(事実)は小説よりも奇なり」「すべて予定調和にはならない」「だから歴史は面白い」私の前に、まるでパノラマのように歴史的事実を並べてお話を展開する松下先生。授業でも毎回こうなんだろうな・・。

 「あの時代にヒトラーがドイツに存在したんですよ。」「ケネディとフルシチョフが同じ時代にいたなんて奇跡以外の何物でもないですよね?」そう語る松下先生の表情。とても神々しく見えます。まるで歴史の代弁者。ヒトラーは愚かな選択をし、ケネディとフルシチョフはぎりぎり危機を回避しました。

 「すべての学生がそうなるのは無理かも知れません。でも私の授業を通して1人でも2人でも、『ああ、そうなんだ。』って思ってもらえれば本望なんですよ。」松下先生の「歴史から人間の生き方を学び取る授業」は、学生に対する深い愛情に裏打ちされているのです。

(つづく)