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◇愛情教育、この指とまれ◇その114◇名産大のリアルな学生像 石田進くん vol.4 竹澤 伸一

 昨年のもう初夏とも思える暑い日に、教育実習から戻ってきた石田進くんと会いました。いつになく深刻な表情で、「先生、お話があるんですけど聞いていただけますか?」と問われました。

 「実は、教育実習の最中に、母校の高校の恩師から、母校に戻って教員をやらないかとお誘いを受けまして・・。」おーっ、それはすばらしいお話ではないかと私は思ったのですが、石田くんはどうやら自信がなさそうなのです。そこで改めて、名産大での石田くんの道のりを一緒に振り返ってみることにしました。

 そもそも石田くんは、名産大の重点強化スポーツの1つである硬式野球部への入部に伴い、名産大の扉を叩きました。そして見事にやりきりました。つまり部活動と通常の授業、加えて教職の授業をすべて全うして、教育実習に臨んでいたのです。ですから恐らく、こうした真摯な姿勢が、母校である私立高校の関係者に伝わり、声がかかったものと思われます。

 私は確信を持って石田くんに告げました。「今の世の中には、教員になりたくてもなかなかなれない人がたくさんいるよね。そんな中で石田くんには、まるで天命とも思えるような機会が訪れたわけです。ここは人生の考えどころではないかな。」

(つづく)