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◇愛情教育、この指とまれ◇その125◇突然ですが『模擬株主総会の授業』をご紹介します。 vol.3 竹澤 伸一

 3例目に登場した株式会社『Bikkle』は、どうやら商社のようです。事業報告や監査報告では、完全に覆面の状態で経営内容を報告していきます。謎めいた報告のあとで決議事項に移行。そこで一気に霧が晴れました。

 決議事項の1つ目、「人件費削減・一部営業所の廃止」。2つ目、「起死回生の新規事業の立ち上げ・販売する物品の紹介」。3つ目、「斬新な予算の積算の根拠」。会場に座る株主役の学生は、思わず身を乗り出します。

 4例目は、『名産現代株式会社』。なんと名産大を「学校法人」ではなく、あえて「株式会社」と見立てての報告です。事業報告と監査報告。ここまでは型通りに進みます。嵐がやってきたのは決議事項の時。「株式会社」の視点なので、教育重視より経営重視。施設面、経営面と容赦なしです。「大学は公益性が高く、塾や予備校とは違うんだ。」という論理が通用しそうもない決議案。ペーパーではなく、パワーポイントを駆使した提案は実に目を見張らせるものでした。

 ここまで来て私は、この「模擬株主総会の授業」を仕掛けた冨田先生の狙いが見えてきたような気がしました。単なる「株主総会のなぞり・追体験」なのではなく、発想の転換を学生に求めているのではないだろうか。

 さあ、あともう1つの株式会社の登場。

(つづく)