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◇愛情教育、この指とまれ◇その174◇アクティブラーニングは学生が主役 vol.4 竹澤 伸一

 「目の前の学生(生徒)の『識名(名前を知ること)』をしないと、怖くてとても授業ができない」私なので、授業ごとに、すべての受講生の「名前札」を作成しています。A4判の板目紙(厚紙)を4等分して山折りにし、その表面両方に、例えば「竹澤伸一」と太マジックで記し、授業の最初の1、2分で受講生全員に儀式のように渡しています。よく小・中学校の学級びらきで行われる方法を、大学生対象の授業でも、毎回必ず行っています。配ると同時に顔色を見て健康観察をし、「この授業に来てくれてありがとう。何か1つはつかんでいってね。」と、1人1人に祈りを捧げています。名産大は徹底した少人数教育なので、常に40人近く生徒が教室にいた中学校教員時代より、かえって学生個々の名前が覚えやすくなっています。

 名前を覚えると、学生個々について知りたくなります。ありがたいことに名産大では、学生個々の出身情報や履修状況が、「カルテ」という体裁で全学生分、教員なら閲覧できます。私は毎日一定時間、この「カルテ」をじっと見て、学生1人1人が、「どこから来てどこに向かおうとしているのか」想像も交えて考えるようにしています。すると不思議なことに、授業1つ1つで何をすべきか見えてくるのです。だって、学生1人1人の「願い」や「思惑」を無視した授業など考えられないですから。

(つづく)