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◇愛情教育、この指とまれ◇その200◇名産大新入生の夢をご紹介します。 vol.10 竹澤 伸一

 齋藤瑞樹(サイトウ ミズキ)くんの夢[齋藤くんは2年生。教育原理を2年生から取っているので、このシリーズで登場]。「子どもから、『こういう大人になりたい』思われる人間になること。それには、給料や地位は、あまり関係ないと思っています。」

 うーん、とっても深い。齋藤くんが、この「夢」に到達するには、長い間の自問自答があったようです。まず幼少の頃の齋藤くん。周囲の大人たちは皆、完璧な人間であると思っていたそうです。そして小学校に入学。出会った先生たちのご指導は、すべて正しいと思い込んでいました。やがて中学校、高等学校に進学。少しずつ大人に近づいていく齋藤くん。次第に、正しいことと正しくないことの区別がつくようになっていきます。そこで「ん、待てよ。」と思うようになりました。「先生だって、必ずしも完璧ではない。しっかりした大人であることは間違いないが、100%完璧な人間などいないし、ありえない。」

 おっしゃる通りです、齋藤くん。櫻井翔くんのドラマではありませんが、先生なんて、「先に生まれただけの人」なのです。私も含めて「完璧な教員」など1人もいません。

 ついでに言えば、「教師論」「教職論」という授業を担当している私が、事例として取り上げる教師は、むしろおよそ「完璧」とは程遠い人間なのです。

 齋藤くんとの学び合い、楽しみです。

(つづく)