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◇愛情教育、この指とまれ◇その219◇名産大新入生の夢をご紹介します。 vol.29 竹澤 伸一

 Dくん(仮名)の「夢」というより、「再生」の物語。最初に?くんの語り。

 「私は、中学校3年生から高校1年生の夏まで、学校に行きませんでした。友だちに誘われて、小学校3年生から野球を始めました。実は正直嫌々だったのです。でも仲間とともに練習を重ねて、大会に出て優勝するまでになりました。それまで味わったことのない達成感を得たので、野球をずっと続けようと思いました。」ここで?くんは、一瞬遠くを見るような目を私に向けました。

 「中学校に入学し、もちろん野球部に入部しました。そして最初は順調でした。しかしあることがきっかけで顧問の先生から嫌われ、無視されるようになりました。頑張れば再び認めてくれるようになると信じて、それまで以上に頑張りました。でも、無視されることは変わりませんでした。」しばし?くんは沈黙しました。

 「ある時、ふつうに投げていたら突然肩がおかしくなりました。一生懸命投げすぎてオーバーワークになり、肩を壊してしまったのです。そんな状態になっても、顧問の先生からは何も言葉はありませんでした。その後、本当に色々なことが重なって、自分で自分のことがわからなくなり、気がついたら学校に行けなくなっていました。」

(つづく)