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◇愛情教育、この指とまれ◇その232◇名産大新入生の夢をご紹介します。 vol.42 竹澤 伸一
Hくんが、「中学校の体育教師になりたい」と思うようになったきっかけは、「ある先生」との出会いがありました。Hくんにとって、「ある先生」の授業は大変楽しく、その授業をつくることのできる「先生そのもの」に惹かれていったと言います。おそらくHくんは、「ある先生」の人格に深く触れていったのだと思います。
私は、教育って実に不思議なものだなあと思っています。授業に限定しても、同じ教科、同じ科目を教わるにしても、先生が異なると、学生(生徒)の受け止め方が全然違ってしまいます。あえて単純化して言うと、人格的に好きな先生に教わると、授業内容の理解度が上がり、人間的に好きになれない先生に教わると、下手をするとその教科(科目)自体が嫌いになってしまいかねません。小学校ではごく普通に起こることでしょうし、中学校でも起こり得ます。そして私は、大学でも起こることなのではないかと考えています。
AI(人工知能)がいかに進歩しようとも、人格的な「教え・教えられ」の関係性は変わらない気がします。50年経とうが、100年経とうが、「教師という仕事」がAIに取って代わられることはないのではないでしょうか。
Hくんが名産大において、「別の、ある先生」と出会い、さらに人格的に陶冶(とうや)されることを願ってやみません。
(つづく)