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◇愛情教育、この指とまれ◇その265◇名産大2年生の成長物語をお届けいたします。 vol.5 竹澤 伸一
松村一輝(マツムラ カズキ)くんは、野球を通してコミュニケーション能力を伸ばしてきました。高校野球の時とは違ったコミュニケーション能力の進展が、大学野球にはあると感じています。
高校野球では、監督やコーチをピラミッドの頂点とした指揮・命令系統が、コミュニケーションの8割以上を占めてしまうことが珍しくありません。だから、コミュニケーションといっても、縦のコミュニケーションなのです。でも大学野球の場合、選手個々が大人になっているため、選手間同士、即ち横のコミュニケーションが取れるようになってきます。松村くんは、そこに充実感を感じています。いわば大人の野球ですね。
松村くん自身は、もともとコミュニケーションを取るのが得意なほうではなかったそうです。そこで、まず、相手の本音をしっかり聴き取ることを大事にしました。大学生は、お互い大人ですから、プレーの内外に多少の利害関係が生じます。それをうまく調整していくことを、松村くんは学んだと言います。
次に、自分の野球に対する熱い思いと、クールな考え方を、時に応じて場面を選んで伝える努力をしました。さらに、仲間の何気ない仕草や表情から、自分やチームに対する思いを読み取ってきたのです。「プレー中の会話は、特に自分を成長させます。」松村くんは、うれしそうに話します。
(つづく)