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◇愛情教育、この指とまれ◇その276◇名産大2年生の成長物語をお届けいたします。 vol.16 竹澤 伸一

 Aくんは、誰にも成し得ない体験を経て名産大に舞い降り、年齢はかさんではいますが、教師になることを目指しています。よく「教師の資質」と言います。もちろん子どもに物を教えるのですから、一定以上の学力は必要です。また、その多くが「迷える子羊」状態になっているのが子どもですから、「道を示す」力量も問われると思います。

 でも、それにも増してAくんが「すごいな」と思うところは、2年生前期(春学期)にして、すでに3つの心理学を履修しているところです。1つは一般的な心理学、1つは発達心理学、そしてもう1つは教育心理学です。

 これも本連載で何度か書いてきたことですが、名産大には現代ビジネス学科に「ビジネス心理コース」が開設され、「社会心理系」の授業と、「臨床心理系」の授業が充実しています。心理学は、「人間心理を科学する」学問であることを考えると、Aくんの「人間観察」に、科学的な裏付けを与えてくれる可能性があります。「人間観察」を何となく感覚的にするのではなく、行動に表れたものの裏側の心理を、注意深く分析できるようになります。

 我流ではない客観的な心理学の素養は、現場の教師の大きな武器になります。生徒の現象的な行為を、冷静に余裕を持って受容することができるようになります。私は、Aくんが「心理的柔軟性」を持った教師になれるよう支援していきます。

(つづく)