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◇愛情教育、この指とまれ◇その287◇名産大2年生の成長物語をお届けいたします。 vol.27 竹澤 伸一

 私の判断が間違ってなければ、十和田圭介くんが大学の運動部を退いたのは、一種の「燃え尽き症候群」ではないかと思います。高校まで一心不乱にプレーしてきた人が陥りやすい、理解可能な現象だと思っています。

 でも十和田くんには、学修とアルバイトという別のウィンドウが開きました。「個の(おそらく)メンタル面」の弱さを自覚しつつ、日々、精進しています。

 十和田くんの学修ぶりに注目してみると、大きな特徴に気づかされました。「キャリアデザイン」という科目で、高い成果をあげているのです。「キャリアデザイン」は、高校までなら「キャリア教育」に該当します。職業人になることを意識して、特にプレゼン力の育成を図ります。そこで成果をあげている理由を考えて、「なるほど」と思いました。

 十和田くんは、アルバイト体験の成果を授業に、反対に授業での学びをアルバイトに活かしていることが見えてきました。端的に言うと、「ビジネス心理的なスキル」を接客に活かしているのです。「キャリアデザイン」の授業では、就労に関するシミュレーションを実施します。一方、アルバイトの現場では、そのシミュレーションを実地化することができます。また、アルバイトの実務で起こる不測の事態を、授業の中で振り返ることもできます。

 今、学びを進めているマーケティングなども、いずれ実地に落とすことができるでしょう。

(つづく)