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◇愛情教育、この指とまれ◇その293◇名産大2年生の成長物語をお届けいたします。 vol.33 竹澤 伸一

 「先日、高1の娘を伴い、駅から歩いて貴大学に向かいました。あいにく荒天だったので、キャンパスの外周を少し歩いただけでしたが、とても印象深い光景を目にしました。午前11時少し手前の時間です。交差点から学生の一団が息せき切って、正門(?)に向かってやってきました。何限目かの始業前なのでしょうか、間に合おうとするために走る姿は、何か微笑ましいものでした。と、その一団の中の女子学生が、つまずいて転倒してしまったのです。靴が片方脱げ、カバンの中身が散らばりました。すると、一歩遅れてやってきた、男子学生の一団が、すばやく彼女を取り囲み、カバンの中身を拾い、靴を履かせ、彼女がよろけると見るや、サッとおんぶして、手前の校舎の中に消えて行ったのです。1分もかかっていない、あっという間のできごとでした。」

 お母さんと娘さん(亡くなった〇〇くんの妹さん)は、名産大からの帰り道、先ほどの光景についてずっと語り合ったそうです。

 「(中略)娘は、かつて通学途中の駅で、誰かに押されて転倒して、およそ10分間その場に放置され、なんとお年寄りの方に助けていただいたという、悲しい経験をしております。貴大学の学生さん、温かで、軽やかで、爽やかですね。」

 次回から、再び「成長物語」に戻ります。

(つづく)