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◇愛情教育、この指とまれ◇その371◇明日への飛躍をめざして 名産大3年生物語 vol.31 竹澤 伸一

 田沢拓矢くんの最終回。実は田沢くん、こんなことを言っています。「将来の目標は、人に迷惑をかけないこと。そして、人の役に立つ仕事をすることです。」

 私が、「なぜ、それが目標なの?」と問うと、「自分の親を始め、お世話になった人たちに、たくさんの迷惑をかけてきたから」だと言います。

 なるほど、子どもさんが、成長過程で、親や周囲の人たちにかける、たくさんの迷惑。この問題は、永遠の問題ですね。少し前までは、公立中学校、現在は、四年制大学の教員をしている私ですが、「子どもたちがもたらす迷惑」には、散々さらされてきました。

 でも、数ある教え子の中で、本当によく覚えているのは、「散々、迷惑をかけてくれた子ども」なのですよね。それこそ、怒涛の青春時代なので、めちゃくちゃ色々間違うし、何度でも同じ失敗を繰り返すし・・。その度に、何とか尻ぬぐいをするのは、親であり、教員なのですよね。

 私は、「一度も迷惑をかけたことのない子ども」のほうが、かえって心配になることがあります。既存の、大人の価値観と、成長過程にある子どもの価値観は、必然的にぶつかります。倫理観ですら、時代によって相対的であろうと、私は思っています。

 けれど、田沢くんの生き方は尊敬に値します。周囲との関係性を大切に思う田沢くん。ご活躍をお祈りします。

(つづく)