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◇愛情教育、この指とまれ◇その447◇まもなく社会人 名産大4年生物語 vol.17 竹澤 伸一

 「実はもう、就職先に出向いて、先行して仕事を覚えさせていただいているのですよ。」松永拓史くんは、誇らし気に言います。「もちろん見習いなので、質の高い仕事ができるわけではありません。でも、会社の方々は、しきりに励ましてくださいます。ですから私は、良い会社にご縁をいただいたと思っています。」

 読者の皆さまは、「製砥業」という仕事をご存知でしょうか。文字通り「砥石」を製作する仕事です。「えっ、砥石?」と思われるでしょうか。近年、「砥石」は、とんでもなく進化しているのです。

 「砥石」は、精密研削盤による金属加工やバリ取り、キズ取り、石材加工など、あらゆるモノづくりに欠かせない、産業用資材と言われています。近年、半導体や自動車部品などの精密機械加工分野で、「砥石」に高性能・高品質が求められています。超精密機械加工の分野では、特に部品のミクロン単位のサイズの狂いが命取りになるため、部品を研磨する「砥石」も、ミクロン単位の高密度、そして滑らかさが求められているのです。

 「製砥所に就職します。」と、松永くんから告げられた時、私はてっきり営業職での入職と思ってしまいました。ところが松永くん、「砥石」の製造の現場に立つとのこと。そこでハタと気づかされました。「緻密で丁寧なモノづくり」ができる松永くんであることを。

 松永くんの仕事ぶり、いつか見てみたいです。

(つづく)