NSU News

◇愛情教育、この指とまれ◇その482◇まもなく社会人 名産大4年生物語 vol.52 竹澤 伸一

「今すぐ、支社か本社に確認の電話をしなさい。さあ、何をグズグズしてるの?スマホを出して。今すぐ電話・・。」橋本昌和(ハシモト マサカズ)くんは、当時の私の口真似を、今でも時々します。まさにその時、橋本くんは就活の真っ最中でした。来るはずのメールが届かない。書類を送るためのURLが開かない。就活が佳境に入ってくると、この手の事務的なトラブルは、よく起こります。そんな時、1分1秒でも待っていてはダメ。すぐに然るべき先に電話、です。メールではなく、直接電話、です。

今でこそ、どんな相手の方にでも自由闊達に電話できる橋本くんですが、1年前は、スマホを持つ手が小刻みに震えていました。いよいよ、相手先の番号をタップする段になると、目の前に座っている私の目をじっと見ます。「大丈夫、何かこじれそうになったら代わってあげるから。」と言うと、ようやく意を決して電話をするのです。しばらく悪戦苦闘して、ようやく要件をすませると、一瞬、虚脱状態に。競技スポーツのスラッガーであった面影など微塵もありません。

でも、「何かあったら、すぐ電話」を繰り返すことで、橋本くんは見る見るうちに成長していきました。自分の目の前で、1人の若者が、自分のゼミ生が、成長の階段を一歩一歩登っていく姿を見れるのは、本当にうれしいものですよ。

もう出会って2年が経つ橋本くん。その足跡を少々追いかけます。

(つづく)