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◇愛情教育、この指とまれ◇その488◇まもなく社会人 名産大4年生物語 vol.58 竹澤 伸一

「色々なことが重なって、竹澤ゼミに入りたての頃は、どう考えても不愛想でしたね。」こう語るのは中村健吾(ナカムラ ケンゴ)くん。アウトドアをこよなく愛する趣味人です。

 

中村くん、本当に「色々な」ことがあったようです。小さい頃からずっと大事にしてきたあるものを断念して、一時、迷いの淵にいました。私と出会った頃は、「これじゃいかん。」と、再生の道を歩み出した頃だったようです。

 

でも、いったん迷いの淵に入り込むと、出口はなかなか見えません。私は、中村くんの愚痴をすべて受け止めながら、やるべきことを一緒に確認しながら、ひたすら見守ることにしました。そうです。解決方法は、すべて本人の内部にあるのです。眠っているものを、無理やり揺り動かす必要はありません。必要なサポートをし続ければ、答えは自身で見つけることができます。

 

「何に興味があるの?将来は何がしたいの?」中村くんは、最初は曖昧に返すだけでした。でも、数か月経つと、私は中村くんの中に、「人間に対する確かな見方」が存在するのを発見しました。他のゼミ生と共同研究していく時の言動の中に、「人に対する深い洞察力」があることを発見したのです。

 

「先生、授業日なのですが、インターンシップに行ってもいいですか?」ある日、中村くんが「小さな殻(から)」を自ら壊しました。そこから「中村くんの物語」が始まったのです。

 

(つづく)