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◇愛情教育、この指とまれ◇その511◇アクティブラーニングはやっぱり学生が主役 vol.11 竹澤 伸一

ある授業に対する学生のコメントです。「社会の第一線で実務にタッチしている外部講師のお話は、臨場感があり、実務の内容がよく理解できた。」この授業にも、実務家として弁護士、社会保険労務士、中小企業診断士、税理士等が参加しています。

企業経営に関わる法務面のこと、情報システムの構築、そして財務会計の内容等、まるで教室が企業と化したかのように授業が進行しています。

我々もそうですが、ふだん企業活動を意識して見ているのは、製造・営業・販売・広告というような、比較的見えやすい部分です。法務面のコンプライアンスとか、定款とか、情報面のネットワーク構築とかセキュリティとか、財務面・会計面で財務諸表を読むとかの、経営の根幹の部分は、ほとんど見えてはいないのです。この授業に食らいつく学生たちは、言わば企業の深部に肉薄していくわけです。「目から鱗が落ちる」体験が、たくさんあるものと思われます。

この授業の特徴として、「グループワーク演習」があります。経営の根幹を支える、法務・情報・財務会計という地味な部分の改善案を、基礎を学んだあとに提案しなければなりません。決して「売上目標は・・」などという派手なものではなく、企業の存続に関わる地味な提案です。

でも、もう読者の皆さまもお分かりのように、この地味な業務改善なくして、企業の存続はあり得ません。総務課・会計課・・というスタッフ部門がしっかり機能してこそ企業は生き残れるのです。学生たちは、特に「グループワーク演習」という「アクティブラーニング」の総仕上げの場面で、「企業の底」を感じるのです。

(つづく)