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◇愛情教育、この指とまれ◇その555◇令和の時代を生き抜く 名産大1年生物語 vol.5 竹澤 伸一

「教育原理」の授業のミニ・レポートに、野中俊哉くんがこんなことを記しました。「正直、教員になることを軽く考えていました。」と。

レポートの内容も、ある面、個人情報です。そこで、レポートを読んで感じたことを、私の解釈も交えて記してみたいと思います。

野中くんは、授業内容から、人生における人と人との出会いに、思いを馳せていきました。教育原理の授業で、私という教員と出会い、数十人の学生とも出会いました。野中くんは、教職を志し、その1歩目として、自らこの授業の教室に足を運びました。そこで、「生徒(学生)と教材(教育内容)とのマッチングこそ授業」だと考えている教員、つまり私と出会ったのです。

そして、早くも「生徒とのベストマッチングを模索する指導法」について考え始めました。さらに、「本気で教員をめざす覚悟」ができたと言います。またまた、「初志」を内なる心に宿した若者が誕生したのです。

野中くんと接していて、思い出したことがあります。私が、中学校現職教員の時に出会った教育実習生たちです。私と出会ってしまったがために、3週間びっしりと鍛えられた、ある面、気の毒な方々です。

私は彼らに、一般的に教育実習の指導教官がするような、「とにかく教科書の内容を伝えて」式の指導は、いっさいしませんでした。いかに「目の前の生徒の実態を知り、教材とマッチングさせるか」を追究させ、具体的な方法を二人三脚で模索しました。そのおかげか、9割以上がその後、教職に就いています。

野中くんとの二人三脚は始まったばかり。さて、どのように展開するでしょうか。

(つづく)