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◇愛情教育、この指とまれ◇その557◇令和の時代を生き抜く 名産大1年生物語 vol.7 竹澤 伸一

Aさん(仮名)の続きです。Aさんは、名経短大を卒業後は、次のようなご希望をお持ちです。

「福祉分野での就職を希望しています。その人、その人、個々の心に寄り添える仕事に就き、一緒に未来を考えて、現在を一緒に一生懸命過ごせる人になりたいと考えています。」

読者の皆さま、Aさんの生き方、Aさんの夢を、どう思われますか?Aさんが寄り添い、一緒に未来を考え、共に現在を懸命に生きてくれたら、きっとその方は希望を持てるに違いないと思われませんか?

Aさんの思いを聴かせていただくうちに、私は、自分の脳裏にふと浮かんだ言葉があります。「受容」です。実は、Aさんもレポートに書いていらっしゃいます。

でも、教育現場でも、たぶん保育や福祉の現場でも、この「受容」がだんだん難しくなっている実態があるように思います。

典型的なのが虐待の問題。虐待の対象は、幼児・児童、高齢者、障害者、あるいは女性・・。「受容」とは、可能な限り「丸ごと」という意味です。おそらくそこに理屈はいらないのだと思います。反対に、虐待は「拒否」であり、「ネグレクト」であり、遂には「攻撃対象」ということです。今の世の中、なんか全体的にギスギスしていて、不寛容で不受容になっている気がします。

それでもAさんは、福祉の現場に身を投じようとしています。「教育原理」の履修者が教育の現場を志向しているのと、根っこは同じだと思います。あえて正解を求めないアクティブラーニングの中で、Aさんとともに模索をしていきます。

(つづく)