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◇愛情教育、この指とまれ◇その572◇令和の時代を生き抜く 名産大1年生物語 vol.22 竹澤 伸一

「自分を育ててくれた、母校のサッカー部、そして高校サッカー全体に恩返しをしたいんです。」鈴木章互くんは、まっすぐな目を向けて語ります。

「そのためには、何としても教員免許を取得する必要があって、教育原理の授業に参入しました。」鈴木くんの並々ならぬ決意、私も真正面から受け止めます。

ところで、そういう鈴木くんだからでしょうね。「教育の目的・方法・手段」を、授業中に皆で検討している際に、こんな発言をしました。

「教育の方法・手段なんて、大げさなものではないんですけど、私は観察が大事だと思うんです。とにかく、1人1人の生徒を、よくよく観察すること。すべては、これにかかっている気がします。」

またまた、鈴木くんに大切なことを教えてもらいました。「1人1人の生徒を、よくよく観察すること」。読者の皆さま、「観察」なんて植物ではあるまいし、生徒に対して失礼ではないか、なんておっしゃらないでくださいね。私も、「観察」に賛成です。感情を込め過ぎて、生徒を、学生を見すぎると、かえって見えるものが見えなくなり、見過ごしてしまうことがよく起こります。教員も、一度冷静になって、なるべく客観的に、子どもを「観察」するくらいが、肩の力が抜けて良いのではないかと思います。

どうやら、鈴木くんの教育観(授業観)は、「コーチング」に根差している感じがします。「コーチング」にも、色々なアプローチの仕方がありますが、選手の適性を、「観察」によって見抜くところから始めるのだと思います。鈴木くんは将来、「生徒を引き込ませる授業がしたい」と言います。となれば、生徒(つまり相手)のことをよく知らなければなりません。「観察」、ほんと、良い言葉です。

(つづく)