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◇愛情教育、この指とまれ◇その598◇令和の時代を生き抜く 名産大1年生物語 vol.48 竹澤 伸一
「幼稚園を最初につくった人、つまり幼稚園の創始者であるフレーベルという人、本当にすごい人ですね。」髙倉楓矢くんは、とてもうれしそうに話します。「私も、幼い頃に幼稚園に通っていました。楽しかった思い出が、未だにあります。小学校に上がる前の数年間に、幼稚園で体験することは、人の一生を左右するかも知れない大事な時期だと思います。それに、幼稚園はとても身近な存在です。およそ200年も前に、今どこにでも普通にある幼稚園を創設したフレーベルは、その思想も、恩物という教材・教具も、今につながっていてすごいと思います。」
髙倉くん、さっそく「今」とのつながりという視点で、教育史を俯瞰(ふかん)しています。そういえば髙倉くん、その前の「教育原理」の授業でも、17世紀のドイツ分裂を憂い、教育を通して統一に奔走していたラトケに関心を寄せていました。歴史や社会情勢と教育との関係に注目する視点が、確実に育っています。
フレーベルもラトケも、今後何百年経っても語り継がれる、歴史上の業績を残した人物です。こうした人物に接して、髙倉くんは「よし、自分も」と考えるそうです。その考え方、私も共感します。
ただ、(おそらくですが)歴史に名前を残す人々は、「自分の名前を残そう」と思って、その時、活動はしていないと思うのです。その時代に合わせて、自分のやるべきことを、無我夢中でやり続けた結果、たまたま後世に名前が残ったのだろうと思います。
ですから髙倉くん、やはりご自分の「初志」だと思います。
髙倉くん、まず高校の教員になるべく免許を取得し、地元の県の教員採用試験を突破し、運が良ければ母校に赴任して、教諭兼監督もしくはコーチに就任する。すべてはそこからですね。
(つづく)