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◇愛情教育、この指とまれ◇その622◇名産大のキャリア支援の今をお伝えします。 vol.02竹澤 伸一

高大連携授業や、様々な研究会等を通して、高等学校の先生方との交流が、近年増えてきました。もともと中学校教員であった私は、「ポン」と大学教員となったため、中学校と大学の間を取り結ぶ高校教育に関して、当初は認識が薄い面がありました。しかし、普通科、職業科、場合によっては総合学科の生徒さんに対する授業や、授業外の交流を積み重ねることによって、高校教育の現状がだいぶ見えてくるようになりました。

高校ごとに、かなり実情は異なりますが、大きくとらえると、高校における「キャリア支援」は、「あてがうキャリア支援」なのかなと、私はとらえています。特に職業科(実業系)においては、「キャリア支援」に長年の慣行が存在するような気がしています。簡単に言えば、先生方に長年蓄積された経験値があるため、生徒個々に「あてがう(薦める)企業等」に、間違いはないのかなと感じています。「就職率100%」と、自ら誇れるほど、「キャリア支援」に自信を深めている実業系の高校を、近年たくさん見てきました。

けれども、大学における「キャリア支援」は、まったく趣を異にします。私の感覚では、「あてがうキャリア支援」は、特殊な例外を除いては、まずあり得ません。「選びとらせるキャリア支援」、もしくは、「開拓させるキャリア支援」が大学における「キャリア支援」だろうと思います。さらに、できれば「選びとらせるキャリア支援」も避けたいというのが、私の願いであり、本音でもあります。

どこの大学にも、「キャリア支援部門」があります。そこには、企業等からたくさんの求人が来ています。多くは4年生(4回生)が、そこを訪れ、職員と面談し、求人票を紹介され、ES(エントリーシート)や履歴書を相手先に提出して、具体的な活動が始まります。しかしこれでは、学生本人は「選びとった」だけです。

(つづく)