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◇愛情教育、この指とまれ◇その675◇令和の時代を楽しもう。名産大2年生物語  vol.45竹澤 伸一

阿蘓品祐輝(アソシナ ユウキ)くん。四国地方の県から、文字通り誰も知り合いがいない愛知県に、単身やってきました。「本当に、ゼロからの生活のつもりで、名産大にやってきました。1日に最低1人、初対面の人と会話することを目標に、自分を解放していこうと、心に決めていたのです。」

阿蘓品くんは、しきりに「1歩を踏み出す」という言葉を使います。阿蘓品くんと会話をしていて、ずっとそのことが気になっていました。「うーん、そうなんですね。それはたぶん、1歩を踏みだすことができずに、後悔したことが多かったからかも知れないですね。」その時ふと、会話が止まりました。

「私は、誰かと会話している時に意識していることがあるんですよ。あなたのお話を、私は確かに聴いていますというサインを出し続けることなんです。だから相手の方が発した言葉を、オウム返しすることがよくあります。100分の100、オウム返しをしていたら、会話が停滞してしまうので、肝心なことだけにしていますけどね。たぶんそのことで、聴き上手にはなっているような気がします。」私は思わず肯きました。

「それに、言葉のキャッチボールをしたいので、相手の方のお話を、できるだけ掘り下げて、あるいは膨らませていくことを心がけています。はじめは、とてもそんなことはできなかったのですが、名産大で、色々な方から学んで、掘り下げること、膨らませることができるようになりました。」

すごい、すごいよ、阿蘓品くん。確かに阿蘓品くんと会話していると、私のほうでこうなってほしいなと思う方向に、会話が流れていくことが度々あるもの。実は、私も同じことを意識しながら会話しているのです。「掘り下げ・膨らませる」こと。これは、ある職業の方の技法でもあります。読者の皆さま、お気づきでしょうか?

(つづく)