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◇愛情教育、この指とまれ◇その677◇令和の時代を楽しもう。名産大2年生物語  vol.47竹澤 伸一

「なんとか30歳までには教壇に立ちたいと思っています。」阿蘓品祐輝くんは、決意を込めた目で語ってくれました。

「大学4年間をかけて、頑張って教員免許は取得したいと思っています。でも、そこはゴールではなく、小さなステップに過ぎないと考えているのです。」阿蘓品くんは、未来を見据えるように語り続けます。

「とにかく、まだまだ知識の絶対量が足りません。だから社会に出る際、いったん別の職業に就きたいと思っています。そこで基礎的な知識を身に着けてから、教員採用試験に挑戦したいと思っているのです。」

なるほど、そういう戦略もありかなとも思います。私の教え子の中に、何人か阿蘓品くんのような、いわば「回り道戦略」を経て、教壇にたどりついた人もいます。そうした「他業種」を経験した先生は、例えば教育学部で純粋培養された先生よりも、縦にも横にも識見が広く、人間味も豊かであるという評価もあります。

一方で、こういう道をたどってきた現職教員もいます。もはや長年、学校現場では常識になっていますが、1年単位の臨時講師で数年腕を磨いて、採用試験を受け続け、教えるための知識を蓄積した結果、晴れて正式に教壇に立つ人もいます。

「他業種」での経験が良いのか、臨時講師としてのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)が良いのか、一概には判断はできません。もちろん、新卒で教員になることができるなら、それに越したことはありませんが。

教職にたどり着くためには、息の長い努力と、広い視野を持った研鑽(けんさん)が必要だろうと思います。阿蘓品くんのこれからの名産大での学修と、必要なら卒業後の経験知の蓄積に、私も一役でも二役でも関わっていきたいと思います。

(つづく)